162.9

0.1mm足りない

ひとが星に願った先に触れないということ

今週のお題「星に願いを」

 

先日テレビを流し見ていて、子どもが専門家に電話をして質問に答えてもらうラジオ番組の回想シーンがあった。そこで、流れ星にお願い事をすると叶うのか、と子どもが質問していた。専門家は、星に願うことで叶うかどうかはわからないけれど、短い流れ星の間にその願いが出てくるということは、それだけ強く願っているということだからきっと叶うよと言っていたそうだ。ちょっといい話風にまとめていたそれが、私にはどうにも腑に落ちなくてモヤモヤしていた。

 

いや、めっちゃくちゃいい話だと思う。返しも的確でベストだと思う。でも私の中の何かが引っかかる。

 

「願いが叶う」ことについて言及したり、確約するのって、その人の未来を断言することだと思う。私にはそれが呪いのように聞こえた。あなたの願いは叶いません、というのは明らかに呪いだし、よくないことなんだけれど、あなたの願いは叶いますも呪いだと思うのだ。願いが叶うことは必ずしもその人の幸せではないし、未来の一つの分岐点でしかない。だから人の願いに、その願いの行き先に、触れたくない。真綿でそっと包んで、その人のためだけに、大事に置いておいてほしい。